流通の頭脳と心臓「高機能物流拠点」

高機能物流拠点が生み出す新たなる食品流通シーン

タケノシタの物流センターは、単に商品を「保管する場所」でも「積み込む場所」でもありません。
私たちはここを、メーカーから小売・外食までを一本の線で結び、常温・定温・冷蔵・冷凍の全温度帯の商品を最適な状態で流し続けるための「サプライチェーンの頭脳」と「心臓」と位置づけています。

コンセプトは明確です。
リードタイムの短縮化、誤納ゼロ、ローコストオペレーション。
この三つを同時に実現するために、効率的な情報管理と現場オペレーションを徹底的に磨き込み、小分け機能を強化し、多品種・小量・高頻度オーダーとジャスト・イン・タイム(JIT)納入という現代のニーズに応える仕組みを組み上げています。

かつて「まとめて大量に運ぶ」のが物流の常識でしたが、今の食品流通は、SKU数もオーダー頻度も飛躍的に増えています。首都圏の食品専用センターでも、WMS(倉庫管理システム)で在庫・作業を可視化し、三温度帯での在庫精度と作業効率を高める取り組みが進んでいますが、タケノシタも同様に、情報システムと現場力を組み合わせた“高機能物流拠点”として南九州・沖縄エリアのインフラを担っています。

適正在庫管理による欠品・誤納ゼロ体制の確立

物流

タケノシタの物流の要は、「適正在庫管理」と「誤納ゼロ」を同時に成立させることにあります。
食品卸向けの先進的なシステムでは、商品ごとに温度帯や賞味期限、ロットを管理し、出荷期限・販売期限まで含めた三段階管理を行うことがスタンダードになりつつあります。

タケノシタのセンターでも、出荷履歴や季節変動、販促情報、得意先ごとの販売傾向をもとに、在庫水準を自動調整する仕組みを運用しています。商品の動きが早まれば補充タイミングが前倒しされ、逆に動きが鈍れば仕入れ量が抑制されることで、倉庫内の在庫は常に「売れる水準」を維持するようチューニングされます。これにより、過剰在庫による廃棄や値下げロスを抑えつつ、売れ筋商品の欠品を極力回避することが可能になります。

在庫と受注はリアルタイムに紐づけられており、受注時点で「どのロットから、どの順番で出すか」という引当ルールが自動的に適用されます。先入れ先出し(FIFO)・期限順引当(FEFO)の考え方を組み込むことで、賞味期限に余裕が少ないロットを優先的に出荷するなど、品質とロス削減の両立を図っています。これらのロット・期限管理は、食品卸向け販売・倉庫システムで一般的になりつつあるアプローチであり、タケノシタも同水準の精度を目指して運用しています。

誤納ゼロに向けては、商品マスタ・棚番・ロット情報を細かく紐づけたうえで、ピッキング指示と検品を情報システムでガイドする設計としています。類似パッケージや規格違いなど、ヒューマンエラーが起きやすい箇所はシステム側でアラートを出し、読み取りや照合を経ないと次の工程に進めないような「ミスが起こりづらい流れ」を作っています。そのうえで、最終段階ではベテランスタッフによる目視確認も残し、“システム+人”の二重チェックで誤納を限りなくゼロに近づけています。

高度な情報システムと現場オペレーションの連動

物流

高機能物流拠点を支えているのは、WMS(倉庫管理システム)・TMS(輸配送管理システム)・受注システムなどの情報基盤です。食品に特化した大手物流企業でも、庫内作業から拠点間輸送・店舗配送までを一気通貫でカバーし、WMS・TMS・受注システムを組み合わせたサービスモデルが一般的になりつつありますが、タケノシタもこれと同じ思想で、センター内と輸配送をひとつのシステムの上に載せています。

倉庫側では、入荷・検品・格納・在庫移動・ピッキング・出荷検品までの一連の作業がWMSで管理され、各工程で発生した情報はリアルタイムに在庫情報へと反映されます。ピッキングリストの作成時には、商品ロケーション・温度帯・作業者の動線などが総合的に考慮され、最短距離で最小のムダな動きとなるようにルートが組まれます。

一方、輸配送側では、TMSにより配送コースの最適化や車両手配、積載率の向上が図られます。配車計画の段階で、どのトラックにどの温度帯の商品を、どの順序で積み込むかがシミュレーションされ、実際の積込み作業と連動します。これにより、従来「現場の経験」に頼りがちだった配車・積込みを、データに基づいた高効率なオペレーションへと引き上げています。

さらに、冷蔵・冷凍区画や一部設備には、HACCP対応のIoT温度管理システムと同様の考え方を取り入れ、温度データを常時計測・記録する仕組みを構築しています。異常温度を検知した際にはアラートが上がることで、温度逸脱による品質リスクを早期に察知し、原因特定と対策に迅速に移れるような体制も整えています。

スムーズな出荷とリードタイム短縮

物流

タケノシタの出荷プロセスは、「翌日納品データ」を起点とした設計になっています。
受注システムで締め時間を迎えると、翌日に納品すべき全オーダーが自動的に抽出され、そのデータが配送コース情報と紐づきます。センター内では、このデータをもとに、コースごと・納品順ごとにピッキング指示が生成され、担当者はその指示に沿って効率的に商品を集めていきます。

ピッキングは、温度帯や商品特性に応じて、摘み取り型・種まき型・ゾーンピッキングなどの手法を組み合わせ、作業動線が最も短くなるように設計されています。特に多品種・小ロットのオーダーが多い得意先に対しては、同時に複数店舗分をまとめてピッキングしながら、途中で店舗別に自動仕分けしていく「波状ピッキング(ウェーブピッキング)」の考え方を取り入れることで、作業時間と歩行距離の短縮を図っています。

ピッキング完了後は、そのまま配送順に合わせてカゴ車・パレット・コンテナへ積み付けが行われ、トラックへの積込みもスムーズに行えるようになっています。これにより、車両の待機時間を削減し、センター出発から店舗到着までのリードタイムを短縮。結果として、納品時間の精度が高まり、「約束した時間に、約束した商品が届く」という信頼を積み重ねています。

多品種・小量・高頻度オーダーとJIT納入への対応

物流

現代の小売・外食の現場では、「少しずつ、こまめに」仕入れたいというニーズが強まっています。
SKU数が増え、棚替えやメニュー変更のサイクルが短くなるなかで、「大量一括納品」だけでは在庫リスクが大きくなりすぎるからです。

タケノシタの高機能物流拠点は、この「多品種・小量・高頻度」というオーダー傾向に合わせて、センター内の小分け機能を強化しています。ケース単位だけでなく、ボール・バラといった細かい単位でのピッキングにも対応し、必要な数量だけを高頻度で届けることができるため、店舗側はバックヤード在庫を圧縮しながら売場を充実させることが可能になります。

また、翌日納品データと配送コースの自動連動により、いわゆるJIT(ジャスト・イン・タイム)納入のニーズにも応えています。朝の開店前納品、昼納品、夜間納品など、業態や立地に応じた納品時間帯の指定にも柔軟に対応しながら、店舗のオペレーションとの整合性を取ることで、売場づくりのリズムを崩さない納品体制を整えています。これにより、店舗側では「明日売る商品を、今日のうちにちょうど良い量だけ受け取る」という理想的な仕入れスタイルに近づけることができます。

データが生み出す改善と、これからの食品流通

物流

高機能物流拠点の価値は、「今の作業を効率化すること」にとどまりません。
WMSやTMS、温度管理システムを通じて集まるデータは、在庫回転率・リードタイム・誤出荷率・積載率・温度逸脱の発生傾向など、さまざまな指標として蓄積されていきます。こうしたデータを活用し、配送コストの削減やサービスレベルの向上を継続的に実現。

センターで蓄積されるデータをもとに、ルートの組み替えや積載率の向上、作業プロセスの見直しなどを定期的に行い、得意先ごとのサービスレベルを維持しながら、コストと環境負荷の両方を下げる改善を続けています。将来的には、需要予測やAIを用いた自動配車など、デジタル技術をさらに活用し、南九州・沖縄エリアの食品サプライチェーン全体を最適化する“プラットフォーム”的な役割を果たしていくことを視野に入れています。

タケノシタの高機能物流拠点は、「倉庫」でも「中継基地」でもなく、
お客様の商売と地域の食生活を支える、目に見えないインフラそのものです。

欠品させないための在庫管理。
誤納を防ぐための情報システムと現場力。
ムダを削りながら、サービスレベルを上げ続けるオペレーション。

そのすべてを南九州・沖縄・離島というフィールドで磨き続けることで、
タケノシタはこれからも、新しい食品流通のシーンを生み出していきます。

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